Collection: Endangered
素材も、技巧も、絶滅危惧種。
1973年、国連にてワシントン条約が採択されました。
その目的は、絶滅のおそれのある野生動植物の種を絶滅から守ること。
日本も批准し、1980年以降対象の種の国際取引は、禁止もしくは制限されています。
対象となったのは、珊瑚、鼈甲、象牙、クジラなど、日本の伝統工芸に馴染み深いもの。
かつての日本では、そうした素材に彫りを施した工芸品が人気を博し、熟練した職人は美しい作品を次々と生み出しました。
しかし現在、材料の輸入禁止や職人の成り手の減少などを受け、かつての伝統技巧は鳴りを潜めています。
ワシントン条約の目的には、「種を絶滅から守ること」の他にも、「持続可能な利用」が掲げられています。
過去に作られた貴重な素材を活かし次世代へと繋いでいくことは、私たち現世代に与えられた使命とも言えるでしょう。
何より、こんなに美しいのですから。