今回は、Full Bloom Collectionに使われている天然石の花彫刻についてお話したいと思います。
「花彫刻」とはその名の通り、石を削って花の形にしたものです。彫刻を施すため、素材となる石は固すぎないものが選ばれます。
ジュエリーワンダーラストでは今のところ、「水晶(ロッククリスタル)」、「アメジスト」、「ローズクォーツ」の花彫刻がありますが、その実この3つは「クォーツ」という同じ種類の石で、色の違いで呼び分けています。そのため日本語では「アメジスト」は「紫水晶」、ローズクォーツは「紅水晶」と呼びます。英語よりも分かりやすいですね。
そして「クォーツ」のモース硬度は10段階中の7なので、柔らかすぎず固すぎず、彫刻を施すことができるのです。
ジュエリーワンダーラストのFull Bloom Collectionで使われている花彫刻たちは、今から20~40年ほど前に、日本のジュエリー生産の中心地である山梨県甲府市で作られたものです。当時は様々な花彫刻が作られましたが、現在需要は減少し、職人の高齢化も相まって、花彫刻はほとんど作られなくなってしまいました。
ところで、使われずに眠っていた花彫刻たちですが、作られた当初はどんなジュエリーになる予定だったのでしょうか?
その答えは…カメオのブローチ!
お花が主役ではなく、カメオを彩るための装飾として作られたものだったのです。
当時作られていたブローチの実際のお写真をお見せしたいと思います。
豪華!!
花彫刻を複数組み合わせて使うという、なんとも贅沢な作りです。ちなみに、ダンス衣装に合わせるブローチとして作られていたそうです。大振りでゴージャスなデザインなのも納得ですね。これらのブローチを見てもわかるように、花彫刻の中心には真珠をあしらうのが定番。
ジュエリーワンダーラストでは、もっとカジュアルに普段使いできるようにしたいという考えから、真珠の代わりにシンプルなK18のボールを入れています。
時代が変わればデザインも変わりますが、せっかく作られた上質な花彫刻たち、これからも上手く活かしていきたいと思います。