「使われていない宝石」って?

「使われていない宝石」って?

ジュエリーワンダーラストでは、「使われていない宝石」を用いてジュエリーを製作していますが、いったんはジュエリーとして加工されたものの、その役目を終えてジュエリーから外されたアンティークやヴィンテージの外し石のほかに、一度もジュエリーに使われることなく「余りもの」として何十年間も在庫として眠っていた宝石も含まれます。

しかしそもそもなぜ本来、高価で貴重なはずの宝石が「余る」のでしょう?今回は宝石の在庫が出来てしまう背景について、お話してみたいと思います。

 

余る原因1:バルクやロットで一気に購入するため。

日本で販売されている宝石は、そのほとんどが外国からの輸入です。大きな輸入業者ではバルクで原石を仕入れ、そこからカッターが原石をカット・研磨し、私たちの知る輝く宝石の形にしていきます。また、カット・研磨済みの宝石を仕入れる場合でも、ロット売りが多いため、すべてを使い切れずに余ってしまう、ということが起こるのです。

 

余る原因2:規格外の大きさの宝石のため。

ジュエリーを大量生産する場合、同じ大きさの石を揃えることが求められます。宝石をジュエリーにするためには、石枠にはめる必要がありますが、同じサイズならば石枠の型をひとつ作ってあとは量産すればよいからです。そのため業界内では定番のサイズ(=好まれるサイズ)というのが決まっているのです。そのサイズから外れてしまった石は売りにくく、余ってしまうことがあります。

 

余る原因3:景気に左右されるため。

日本にも、ジュエリーを作れば作るだけ売れた時代がありました。そんな時期に輸入業者やジュエラーは、どんどん宝石を仕入れました。しかしバブルが弾け宝石やジュエリーの消費量が落ち込むと、それまでの当てが外れて在庫を抱えることとなったのです。作っても売れないならば、せっかく仕入れた宝石もジュエリーに加工されることなく、寝かされることになります。そうして出番を待ったまま在庫となるのです。

 

↑部屋いっぱいに積み上げられた、3,40年前に輸入された原石。

 

こうした理由で、高価な宝石でも他のものと同様、在庫となり得るのです。ただし、宝石には他のものにはない、オールドストックやヴィンテージだけがもつ利点もあります

 

昔の宝石の利点1:今は手に入らないものが手に入る。

良質な宝石が多く集まった時代の在庫には、今では見つけるのが難しいような高品質な宝石も多く含まれます。また、作れる職人が少なくなってしまった宝石カーヴィングといった、職人の技が光る宝石も見つけることができます。

 

昔の宝石の利点2:古いからといって価値が落ちるわけではない。

宝石に消費期限はありません。適切な管理さえしていれば、数十年前のものだからといって劣化するということはないのです。そもそも宝石は、地球が何十億年~数千年前に作り出したものです。「古いもの=劣ったもの」という方程式が当てはまらないのも、宝石の素晴らしい点のひとつです。

 

そうした理由から、ジュエリーワンダーラストでは「使われていない宝石」を積極的に使っています。 

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