「エシカルダイヤモンド」って?

「エシカルダイヤモンド」って?

「エシカルダイヤモンド」という言葉を聞いて、皆さんはどんなダイヤモンドを想像するでしょうか?

 

近年多くのブランドが、「エシカルダイヤモンド」を用いたジュエリーを販売していますが、実はその意味は各ブランドによって大きく異なっています。

 

今回は、日本のブランドが用いている「エシカルダイヤモンド」の2つのタイプについて説明したいと思います。

 

1、人や環境に配慮し採掘されたダイヤモンド

ダイヤモンド採掘を取り巻く問題は、紛争ダイヤモンドや危険で劣悪な労働環境、労働者に対する虐待、児童労働や環境破壊など、解決すべきことが山積みです。

 

そんな問題を出発点として登場したのが、ダイヤモンドが採掘されてから消費者の手元にやってくるまでの全工程で透明性(トレーサビリティ)を担保し、労働者の人権を侵害していないことや周辺環境への影響に配慮していることを確認できるダイヤモンドです。

 

 

「人や環境に配慮し採掘された」と一口にいっても、児童労働を用いていない、労働者の人権を保証している、環境や周辺コミュニティに配慮した採掘であるなど、その内容にはグラデーションがあります。そのため、自分が購入を検討しているジュエリーブランドが掲げる「エシカルダイヤモンド」の定義をしっかり確認することが必要です。

 

中には、キンバリープロセスに則り「コンフリクトフリー(紛争に関わりがない)」を保証することでエシカルを名乗るダイヤも存在しますが、現在世界に流通するダイヤモンドの99.8%がキンバリープロセスに則ったものですので、それだけでエシカルを謳うのは難しいという点に注意が必要です。

 

2、ラボグロウンダイヤモンド

ラボグロウンダイヤモンドとは、鉱山で採掘された天然ダイヤに対して、「工場(ラボ)にて人の手で作り出されたダイヤモンド」を指しています。

 

化学式が天然ダイヤモンドと全く同じのため、見た目の輝きや硬度など、持っている性質は天然ダイヤと同等です。ラボグロウンが天然と違うのは、価格、生成されるまでの期間、そして生み出された場所です。

 

天然ダイヤモンドのように自然の中で採掘されるわけではないので、採掘の過程で起こりうる環境破壊や人権侵害に関わらないという点から、エシカルダイヤモンドとして広く認知されています。

 

 

私たちがコンゴ民主共和国のダイヤを用いる理由

ジェリーワンダーラストの用いるダイヤモンドは、最初にご紹介した「人や環境に配慮し採掘されたダイヤモンド」に当てはまります。

 

現在ジュエリーワンダーラストが用いているダイヤモンドは、アフリカのコンゴ民主共和国産です。現地にルーツを持つパートナー通じて、公平な価格でダイヤモンドを買い取っており、採掘者にはダイヤモンドの市場価格に上乗せしてプレミアム(奨励金)が支払われています。プレミアム(奨励金)は、採掘者が採掘に必要な装備を買ったり、自分と家族の生活を向上させるために使える資金となります。

 

 

トレーサビリティが担保され、人や環境に配慮されていることが確認できるダイヤモンドは、カナダやオーストラリアといった先進国の鉱山で採れたものが特に有名で、エシカルなダイヤモンドでコンゴ民主共和国産というのは珍しいでしょう。

 

コンゴ民主共和国は、ダイヤモンド産出国世界第4位のダイヤモンド大国でありながら、採掘者に対する暴力・虐待、危険な採掘現場での事故などが多数報告されており、労働者の置かれている環境は決して良いとはいえません。

 

コンゴ民主共和国に限らず、児童労働や違法労働、危険な労働環境など、ダイヤモンド採掘にまつわる問題が報告されている国の多くはアフリカ諸国のダイヤモンド産出国であり、そうした国々でエシカルなダイヤモンドを入手するのは難しいことです。

 

そんな中でも、私たちがコンゴ民主共和国産のダイヤモンドを使っているのには理由があります。

 

それは、私たちが公平なルートでそうした国のダイヤモンドを買い取ることで、現地の採掘者をエンパワー(力を与えること)出来ると考えているからです。

困難のある国で採れたダイヤモンドを買わずにボイコットすることは簡単です。しかし、「買わないこと」で収入を失い最も苦しむのは現地の採掘者なのです。

 

だからこそ、挑戦の多い国でも公平なダイヤモンド取引をしている業者と協働することで、鉱業の現状を少しずつポジティブな方向へ変えることに貢献したいと考えています。

 

そうした信念から、ジュエリーワンダーラストではコンゴ民主共和国を始めとするアフリカ諸国で採掘されたエシカルダイヤモンドを積極的に用いています。

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