Jewellery Wanderlust

ジュエリーが大好きで、世界中から個人輸入している人のブログ。特にアンティークが好き。

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ブラックダイヤの魅力徹底解剖!

皆さん、ダイヤモンドはお好きですか?その中でも、カラーダイヤはお好きですか?きっと好きですよね。

 

見た目の美しさはもちろん、その希少性から特に近年、その人気と価格は高騰する一方で、富裕層が投資対象として買い求めるほどです。

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同じサイズ、クオリティのダイヤを色別で比較したグラフ(線の色がダイヤの色)。

(出典:Fancy Color Research Foundation (cited from Befindan Media)

過去15年、カラーダイヤの価格は総じて上昇傾向です。ピンクダイヤ、そしてブルーダイヤの主な産地であるオーストラリアのアーガイル鉱山閉山を受けて、それらのダイヤはの希少性は益々高まっていくと思われます。

 

 

カラーダイヤのランクづけ

カラーレスとは違い、カラーダイヤは大きいカラットとなるととても一般人に手が届くような値段ではありません。もちろん色によってまたランクが変わってきますが、大体ランクづけは以下のような感じです。こちらから引用させていただきました。

 

S+.レッドダイヤモンド
S.ブルーダイヤモンド
A.グリーンダイヤモンド
A.ピンクダイヤモンド
A.ホワイトダイヤモンド
A.パープルダイヤモンド
A.バイオレットダイヤモンド
A.オレンジダイヤモンド
B.イエローダイヤモンド
B.ブラウンダイヤモンド
B. カラーレスダイヤモンド
C.グレーダイヤモンド
C.ブラックダイヤモンド

 

レッドダイヤは最も貴重なダイヤといわれ、世界中にラボを持ち毎年莫大な数のダイヤを鑑定しているダイヤの権威GIAですら、30年間に渡って一度も、色相が「レッド」のダイヤのレポートを発行したことがなかったそうです。

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1987年に880,000ドル(約9700万円)で落札されたHancock Red(ハンコック レッド)、0.95ct。

(出典:GIA & Tino Hammid)

 

さて、トップの赤を始め、ランク上位を占めるのは青、緑、ピンクと、人気且つ稀少な納得のラインナップです。そしてずーっと下がっていけばお分かりになると思いますが。「カラーダイヤ」でありながら、最も人気がなく、最も安価な色、それが「黒」です

 

最も安い「カラーダイヤ」

しかしこの、最も不人気かつ安価なこのブラックダイヤこそ、実は私の「推し」宝石のひとつなのです。最初は私もあまり興味がなかったのですが、あることをきっかけに一気に魅了されたので、今回皆さんに、最も人気のないカラーであろうブラックダイヤの魅力について迫りたいと思います。

 

巷に溢れるブラックダイヤ

皆さん、ブラックダイヤをご覧になったことはありますか?実物はなくとも、ネットで見たことある、という人は多いのではないでしょうか。大体このような見た目です。

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出典:株式会社LWE

 

 

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出典:2013- KAETARU INC.

真っっっ黒ですね。それはもう不自然なほどに。これを見て私が抱いた感想は、「のっぺりしてるな」です。それから、「黒曜石でもオニキスでも同じか」とも思いました。本来ダイヤの魅力はその輝きにありますが、ブラックダイヤは黒なので、光を反射させて輝くことがありません。そんなもはやダイヤの特性を失っているともいえるブラックダイヤが、低い評価を受けるのは当然、とまで思いました。

 

この通り、ブラックダイヤに対する第一印象はあまりよくなかったのですが、調べていくうちに分かったことがありました。それは、大体のブラックダイヤには、石の色を濃くするために処理が行われているということです。色石はより色を美しくするために処理がされることが多いですが、ブラックダイヤもしかりです。

(処理については以下を参照させていただきました。ブラック”ダイヤモンドの鑑別

 

まず、ブラックダイヤというのは、石自体が黒い訳ではなく、黒い内包物(インクルージョン) が多数含まれることによって黒く見えているだけです。よって、上に挙げたような完全に真っ黒なブラックダイヤというのは、原子炉で中性子線を照射して処理されたか、高温(HT)加熱によって黒色化させたものになります。

 

「ブラックダイヤ」と検索して出てくるもののほとんどがこの真っ黒な姿ですね。しかし、処理前の姿をご存知でしょうか?私はこの処理前の姿を見て、一気にブラックダイヤに魅せられてしまったのでした。

 

本来のブラックダイヤ

色処理加工なしの、ブラックダイヤの本来の姿がこちらです。

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出典:Narshiha Gem & Jewels

禍々しい…!!「宇宙だ…」と思いました。私には銀河が見えます…!

 

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出典:Narshiha Gems & Jewels

こちらは2Bの鉛筆でなにかをざーっと塗りつぶしたかのような禍々しさ。

 

↓処理ありの石と比べてみると、見た目の違いは一目瞭然です。

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左:無処理の石、右:カラーエンハンスメントが行われた石

(出典:Krikawa Jewelry Designs, Inc. )

色処理で均一にされてしまった石では分かりませんでしたが、ブラックダイヤの本来の姿はこれほど個性的で、壮大で、ミステリアスで、美しかったのです!!!

この処理前の禍々しい美しさをもつブラックダイヤに、私はすっかり魅了されてしまったのでした。

 

未処理の石の黒い部分はあくまでインクルージョンなので、各石によって表情が違います。引いて見ると、色処理がしてあるものより、若干灰色っぽく見えますね。

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出典:Narshiha Gems & Jewels

 

こちらも均一に真っ黒ではなく、黒が濃い部分と透明な部分があって、また表情が違うように見えます。

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出典:Narshiha Gems & Jewels

いかがでしょう?これは無色ダイヤのようにファセットカットでキラキラさせるというよりは、ステップカットにしてまじまじと中身を覗き込めるようにしたい…!

 

ブラックダイヤのもつ意味

宝石好きは読んでいる方が多いと思いますが、『七つ屋志のぶの宝石匣』5巻でブラックダイヤの回(19話)があります。「わたし宝石は嫌いなの」と言い放つモデルの乃和に対して、宝石店店員の顕定が出してくるのが無処理のブラックダイヤの指輪です。

 

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出典:『七つ屋志のぶの宝石匣』コミックス5巻

 

顕定の説明によると、ブラックダイヤには「悪魔が欲しがるほどの強大なパワー」があり、「問題の消滅・超越・征服」を象徴するそうです。

 

かっこいい…!ただでさえダイヤの語源は「アダマス(征服されざるもの)」。モース硬度10で地球上で最も硬く、何ものにも傷つけられない存在です。それだけでもかっこいいのにそれに「ブラック」の要素が加わったらもう最強すぎる…。

 

見た目ももちろんですが、名前の由来や持つ意味にも惹かれます…♥︎

 

ブラックダイヤのジュエリー

 長らく工業用としての用途しかなかったブラックダイヤも、2000年代からはジュエリーにも使われ、現在では普通に見かけるようになりました。

 色処理なしのブラックダイヤに限って、どんなジュエリーがあるのか見てみたいと思います。

 

かっこいいだけでなく、デザインによってはフェミニンにもなります。

 
 
 
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こちらはローズカットを施した石を使ったリング。

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出典:Krikawa Jewelry Designs, Inc.

 

実はまだ私は、好みドンピシャのブラックダイヤモンドジュエリーに出会えていません…。ブラックダイヤというのは元々ダイヤとしての価値が低いからか、カットのクオリティがイマイチなものが多い印象です。なので、いっそ自分でリカットを頼んだり、デザインをしたりしてオリジナルで作ってしまおうかと、ここ数年計画を温めています…。できあがったらこちらでお披露目しますね。

 

番外編:ソルト&ペッパーダイヤモンド

無処理のブラックダイヤを調べていると、「salt and pepper diamond(ソルト&ペッパーダイヤモンド)」というものを高い頻度でみかけることになります。「ソルト&ペッパー」なので、直訳すると「塩こしょうダイヤモンド」です。一体何かと言いますと、こういったダイヤのことです。

 
 
 
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もうお分かりですね。黒や白のインクルージョンが多く含まれていて、まるで塩こしょうを振りかけたような見た目のダイヤモンドのことです。こちらも一石一石表情が違って、なかなか個性的ですよね。

 

全体にインクルージョンが入って総じて黒く見えるブラックダイヤより、まだらに黒いインクルージョンが入ったこちらのダイヤの方が見つけやすいのでしょう。無処理のものとなると、意外とブラックダイヤのジュエリーを探すことは難しく、かたやソルト&ペッパーダイヤのジュエリーは多く見つけることができます。

 

これは好みの問題ですが、やはり私は真っ暗な宇宙のようなブラックダイヤに軍配をあげたいと思います。

 

最後に

いかがでしたでしょうか?少しでも無処理のブラックダイヤの唯一無二の美しさが伝われば幸いです。

それにしても「ソルト&ペッパーダイヤ」という名付けはマーケティング上手いなあ、と関心しています。これはブラウンダイヤを「コニャックダイヤ」と呼んだり、カラーレスダイヤの中でも黄色がかった色味を「ハニーカラー」と呼んだりするのも同じです。呼び方を変えるだけで一気に魅力的に見えてしまうのですから、不思議なものです。「元々価値の低いものを売るための戦略」とネガティブに捉えるか、「価値の再発見と再評価」とポジティブに取るかは、その人次第ですね。