Jewellery Wanderlust

ジュエリーが大好きで、世界中から個人輸入している人のブログ。特にアンティークが好き。

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その家に代々受け継がれるエアルームジュエリー【ビジュー・ド・ファミーユ】

heirloom(エアルーム)という言葉をご存知でしょうか。今回は、エアルームとは一体何なのかについて探っていきたいと思います。

 

 

エアルームとは

一言でいうと、「家宝」です。先祖代々その家に伝わる貴重な品物のことですね。Wikipediaによれば、単純に「何世代にも渡り家族のメンバーに受け継がれるもの。例としては、聖書、骨董品、ジュエリーなど」とありました。Wikipediaでは、ものの金銭的価値に関わらず、純粋にその家に何世代も受け継がれているものをエアルームというようです。

 

その一方、ケンブリッジ辞典では「何年にも渡り、家族の古いメンバーから若いメンバーへと渡される価値のあるもの」と定義され、ここでは「価値」について言及されています。

 

世間一般の認識としても、ただ単に昔から受け継がれるものという意味からもう一歩踏み込んで、そうして何世代にも渡り受け継いでいく価値のあるもの、という意味が含まれていると思います。

 

ジュエリーは昔から、有事の際に持ち運びが簡単且つ換金できる資産として重宝されてきました。いざという時に換金できるというのも、エアルームの重要な条件なのではないでしょうか。欧州の王侯貴族は、資産となる貴重で高価なジュエリーを家宝として持っていることが普通です。

 

エアルームの例

 例えば、かの有名なダイアナ元妃の「スペンサーティアラ」も、ダイアナ元妃の生家であるスペンサー伯爵家に代々伝わるエアルームです。事実、ダイアナ元元妃以外にも、スペンサー家に生まれた女性、もしくはスペンサー家に嫁ぐ女性たちが着用してきました。

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左:ダイアナ元妃、右:ダイアナ元妃の姪にあたるセリア・マッコーコデールさん

Photo by GEOFF ROBINSON PHOTOGRAPHY/REX/SHUTTERSTOCK(25ansより)

 

お次はイギリス王室より。

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出典GETTY IMAGES citing in TOWN & COUNTRY

ヴィクトリア女王時代から受け継がれる「アルバート公のブローチ」。大きなサファイアが美しいブローチです。元々はヴィクトリア女王が夫(結婚前日だったので厳密には婚約者)のアルバート公に贈られたブローチです。これは現在エリザベス女王が着用していますが、ヴィクトリア女王の意思により、女王と王妃しかつけることが許されないのだそう。

Best Royal Family Jewelry - History Behind Royal Family Heirlooms

 

絵画になるまで遡れるとは、さすが王室ですよね。私は「エアルーム」というと、これくらいのレベルのことを指すと思っていたのですが、どうやら世間ではもっと気軽な意味で使われているようです。それについて、以下では私たちのような普通の人にとってのエアルームについて、検討してみたいと思います。

 

一般人の「エアルーム」

ネット上で色々と調べていく上で、一般人がエアルームとして持っているもの、エアルームと呼んでいるものについてまとめてみました。

 

婚約指輪

まず挙げられるのは、婚約指輪ですね。ほとんどの人がダイヤを選び、人生の節目に購入するものなのでクオリティにこだわって、持っているジュエリーの中でも最も高価という人も少なくないのではないでしょうか。また、婚約指輪は自分もしくは夫の母親から受け継いだという方もいらっしゃるかと思います。

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ティファニーの2ctのイエローダイヤリング(出典:TIFFANY & Co.)

 

母や祖母から受け継いだもの

イギリス王室のようにポートレートが絵画だった時代まで遡ることは難しくとも、自分の1つか2つ上の世代まで遡れるジュエリーならば、もっている人も多いのではないでしょうか。

 

以下は、私が母から受け継いだ指輪です。元々は母の婚約指輪でした。 

 
 
 
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つけやすくてとても気に入っています。 

 

自分で購入した上質なもの

自分が受け継いだ訳ではないけれど、子や孫に受け継いでいく予定のものも、エアルームと言えますよね。ただし自分は良いと思っても、次の世代がそれを受け継ぎ大切にしてくれるかはまた別の話なので、本当にエアルームになるのかは時間が経たないとわかりません。

もちろん私の場合は、自分で購入したアンティークジュエリー一式がこれにあたりますね。

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↑ほんの一例。 

 

ビジュー・ド・ファミーユ!?

こちらの『ELLE』の記事で、エアルームと同じ意味で「ビジュー・ド・ファミーユ」という表現を見かけました。

www.elle.com

 

「ビジュー・ド・ファミーユ」はフランス語で「bijoux de famille」です。直訳すると、「家族の宝石」となります。その家に代々伝わるものなので、その呼び方に何の疑問もなかったのですが、今回記事を書いていく上でしっかりと調べたところ、衝撃の事実にたどり着いてしましました。

 

本当に一般的に使われている言葉なのか確認するため、フランス語で念のためグーグル検索しました。Larousse辞書では「bijou, bijoux」の欄で「bijoux de famille」が出てきました。意味もエアルームと同じでした。

 

しかし!更に調べを進めていくと、純粋に「家族の宝石」という意味ではなく、スラングの意味が出てきたのです。

Urban Dictionary: bijoux de famille

bijoux de famille | WordReference Forums

 

上記複数のサイトによると、「bijoux de famille」とは…男性器を意味するスラングです…!

 

ええええ…『ELLE』はフランスの雑誌ですし、日本語版だってフランスから情報を仕入れたりフランス語にも堪能なエディターたちが作っているはずなので、間違った表現の言葉を掲載する訳ないですよね…。第一の意味は「家族の宝石」なのでしょう。しかしまた別の意味で、こういった隠語にもなっているのですね。

ちなみに英語でも全く同じ表現があり、「family jewels(家族の宝石)」や「crown jewels(王冠の宝石)」には、本来の意味とは別に男性器という意味もあるそうです…。ちなみに英国育ちの夫に聞いてみましたが、彼は聞いたことも使ったこともないと言っていました。本当はイギリスやフランスの友人に真偽を確かめたいのですが、「突然連絡してきて聞くのがこれ…!?」という自分の中の葛藤に勝てないので、少し寝かせます、笑。今後ネイティブの友人たちに確認が取れたら、アップデートしますね。

 

最後に

最後は少し話が逸れてしまいましたが、家に代々受け継がれるジュエリーというのは本当に憧れです。私はアンティークジュエリーをコレクションするくらいなので、エアルームのように、自分の先祖代々の思い出やストーリーが込められたジュエリーというのはとても心惹かれるものがあります。

 

日本はそもそも明治になるまでジュエリー文化がないに等しかったので(古代を除いて)、ヨーロッパのように何百年も家に伝わるジュエリーというのを見つけることは結構難しいと思います。しかし自分の代から始めたっていいわけですから、次の世代に残すに値する、質のいいジュエリーを集めていけたらいいなと思います。