Jewellery Wanderlust

ジュエリーが大好きで、世界中から個人輸入している人のブログ。特にアンティークが好き。

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徹底検証!「一生ものジュエリー」について考える

 一生ものジュエリー

ファッション雑誌の特集で一度は見たことがある表現でしょう。ジュエリー好きの方のブログなどでも、テーマとして取り上げられることが多いかもしれません。

しかし「一生もの」という表現は非常に曖昧で、なんとなくイメージはあるけれど確固とした定義はない、人によって好き勝手言える言葉でもあります。特に雑誌などは掲載ブランドのために好き勝手にこの表現を使っている節があるのでは…などと、なんだかこの言葉に踊らされているような感じもします。

ということで今回は、「一生もののジュエリー」とは一体何を指しているのか、検証していきたいと思います。

 

 

巷でよくみる「一生ものジュエリー」

有名ファッション雑誌の特集

まずはじめに、世間一般的な感覚での「一生ものジュエリー」を学ぶため、ある程度信頼の置ける女性ファッション誌の結果をまとめます。グーグル検索で「ジュエリー 一生もの」と検索して出てきた記事のうち上の4つが奇しくも有名女性ファッション誌でしたので、取り上げてみたいと思います。

 

まずは『25ans』。「20代、30代、40代、50代におすすめの…」ということで、年代別に分かれています。年代別というのもよく見ます。

www.25ans.jp

 

続いては『BAILA』。こちらは25ansとは打って変わって、30代一本勝負です。「30代女性が今、手に入れるべき憧れブランドのジュエリーとは?」と銘打って特集しています。

baila.hpplus.jp


 続いては『ELLE』です。「親子関係と同様、モノといかに“愛着”を形成するか――この考え方こそ真のサステナブル!」ということで、こちらは特定の年代についての言及はなく、「長くサステイナブルに使う」というところに焦点が置かれています。

www.elle.com

 

続きまして『VERY』。今度も「30代」がターゲットです。そして「ダイヤモンド」とよりピンポイントに絞っています。

veryweb.jp

 

最も取り上げられているアイテムランキング

さて、これらの特集の中で、「一生ものジュエリー」として最も取り上げられているアイテムは何なのか、気になりますよね。みなさんに代わって確認しました。(なお、時計などジュエリー以外は無視しています。)

 

第1位 ヴァンクリーフ&アーペルの「アルハンブラ」

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出典:VERY

「マジック」、「ヴィンテージ」「スウィート」など、あらゆるサイズやアイテムがありますが、とにかく大人気のアルハンブラ。いつか欲しい憧れのアイテムとして名前を挙げる人も多いので、当然のランクインかなと思いました。4記事中3記事が取り上げています。

 

さて、次は2位ですが、なんと4つあります。どのアイテムも、4記事中2記事が取り上げています。

 

同率2位 ハリー・ウィンストンの「ベル・バイ・ハリー・ウィンストン」

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出典:Harry Winston

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出典:BAILA

婚約指輪として憧れる人も多いデザインがランクインしました。

 

 

同率2位 ティファニーの「T」

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出典:BAILA

ティファニーTには、上の写真の通りバングル、ピアス、リングなど、本当に様々なアイテムがあります。

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出典:Tiffany&Co.

また、スマイルペンダントも大人気ですよね。

 

 

同率2位 ブルガリの「ビー・ゼロワン」

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出典:BAILA

こちらもネックレス、リング、ピアスなど、アイテムも地金の色も様々なパターンがあります。

 

同率2位 カルティエの「ジュスト・アン・クル」

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出典:ELLE

こちらはリングも人気ですが、やはりバングルが一番みますね。1本の釘をぐるっと曲げたようなシンプルながら個性的なデザインです。
 

 

以上、「一生ものジュエリー」として取り上げられているアイテムのランキングでした。この他にもいくらでも出てくるのですが、どれも高級メゾンの美しいジュエリーばかりです。「一生ものジュエリー」と言われて大抵の人が思いつくものと、乖離はないと思います。

 

さて、先行研究はこの辺にして、「一生ものジュエリー」の本当の意味について考えていきたいと思います。

 

「一生もの」の定義

そもそも「一生もの」とはどういうことを意味しているのでしょう。まずはここをはっきりさせなければ議論が進みません。以下は私の仮説です。

定義①「買ってから死ぬまで使えるもの」

まずは文字通り、「一人の人が死ぬまで使える」という意味。いくつで手に入れるのかは人それぞれですが、日本人の平均寿命を鑑みて、80年ももてば十分でしょう。

定義②「子や孫に引き継げるもの」

こちらは言外の意味になりますが、1代だけでなくその子、孫にまで引き継げる、ということも「一生もの」には期待されていると思います。

 

では、これらの定義を満たすジュエリーの条件とは何でしょう?

 

「一生ものジュエリー」の条件

1、デザインやスタイルが古くならない

「買ってから死ぬまで使えるもの」の第一の条件は、服の趣味や人の体型が変わっても変わらず合わせられるデザインであること、けっしてout of styleにならない、古くさく見えないということですよね。

 

2、耐久性がある、もしくはメンテナンスや修理をして使い続けられる

どんなにデザインが変わらなくても、ものとしての寿命がきてしまえば使い続けることは不可能です。なのでもう一つ外せない条件として、最低80年以上壊れない、もしくは壊れても直すことができる程度の丈夫さがあるということを挙げます。

 

3、価値が下がりにくい、売りに出したときに買ったときと同等の値段で売ることが出来る

これは必ずしも必要条件ではありませんが、特に定義②の「子や孫に引き継げるもの」に関連して、次の世代に引き継げるものは一定以上の価値があるものであるべきという考えになるかと思います。この「価値」という言葉がまた曖昧なのですが、ここでは、リセール時に買ったときと変わらない金額で第三者に買ってもらうことができる、という意味です。「資産になる」という意味では使いません。そのようなジュエリーは銀行の金庫に預けるような品でなくてはありえず、また別の話になるからです。

 

さて、ではこれらの定義や条件に沿って、巷でよく挙げられる「一生ものジュエリー」の選び方アドバイスが、上に挙げた3つの条件に合致するのか検証してみます。

あてはまるものは○、何とも言えない、関係がないものは△、あてはまらないものは×で評価しています。

 

巷にあふれる選び方アドバイス

1、「ハイブランドのファインジュエリーを選びましょう」

まずはブランドについてです。各条件に当てはめてみましょう。

①「デザインやスタイルが古くならない」→△

「歴史あるメゾンのものは時代を超えて愛されているので、古くならない」という主張も考えられますが、まず「ハイブランド」という括りが広すぎますよね。ハイブランドのジュエリーの中にも、実に様々なアイテムがあります。長く使えるクラシックなデザインのものもあれば、流行を意識したキャッチーなものもあるでしょう。つまり「ブランドの中でもアイテムによる」と言う必要があります。

それにこれは、ブランドやアイテムそのものの他に、世間での流行り方にも大きく左右されてしまいます。たとえば、ティファニーのオープンハートはデザインとしてはスタンダードなハートのデザインでも、過去に大流行りしてしまったことで、その時代を思い起こさせるものになってしまい、少し古くさく感じるときもあると思います(十分時が経てば、一周まわってまた人気になるとは思いますが)。

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オープンハートネックレス(出典:Tiffany&Co.)

 

②「耐久性がある、もしくはメンテナンスや修理をして使い続けられる」→○

ハイブランドのファインジュエリーならば、もれなく貴金属と宝石で作られています。それらは最低80年はもつ素材ですし、たとえ問題が起きても貴金属の場合は修理ができます。ハイブランドは80年後もブランドが存在している可能性が高いため、アフターケアを受けられるということもほぼ確定しています。そういった意味で、耐久性については保証されていると言えるかもしれません。


③「価値が下がりにくい、売りに出したときに買ったときと同等の値段で売ることが出来る」→○

ハイブランドは、その人気が下がる可能性が他に比べて低いと言えます(もちろんアイテムにもよりますが)。値段というのは需要と供給で決まりますから、需要が高い以上、リセール時に値崩れしにくいと言えます。

 

2、「最低○○万円以上を予算にしましょう」

続いては、値段に関することです。では検証していきます。

①「デザインやスタイルが古くならない」→△
値段とデザインは全く関係ないですよね。高価でもイマイチなデザインもあれば、安価でも洗練されたデザインもいくらでもあります。

 

②「耐久性がある、もしくはメンテナンスや修理をして使い続けられる」→△

値段の高さと、使われている素材の良さはある程度比例します。素材がしっかりしているということは耐久性がある、そして修理が引き受けてもらえるということになります。。ただし、ハイブランドのコスチュームジュエリーなど、例外もあるのでそこは気をつけましょう。

jewellery-wanderlust.com

 

③「価値が下がりにくい、売りに出したときに買ったときと同等の値段で売ることが出来る」→×

地金だけに関して言えば、「価値が下がらない」と言えると思います。しかし、それにプラスでついている宝石や、アイテムのデザインについては、リセール時に考慮されることはまずないので、ハイブランドでない限り、地金の値段のみで買いたたかれるというのはよく聞く話です。

 

3、「18金以上のゴールドもしくはプラチナにしましょう」

最後は素材についてです。

①「デザインやスタイルが古くならない」→△
地金はあくまで素材の話なので、デザインの間に関連性はないです。

 

②「耐久性がある、もしくはメンテナンスや修理をして使い続けられる」→○
18金以上、もしくはプラチナならば耐久性は間違いなくあります。そしてこれが盲点なのですが、ソリッドゴールドやプラチナ以外(メッキやシルバーなど)は、修理を断られることがほとんどです。そういう意味で、18金以上のゴールドやプラチナは長く使える素材と言えます。

 

③「価値が下がりにくい、売りに出したときに買ったときと同等の値段で売ることが出来る」→△
これは2と同じで、地金としては価値は下がらないと言えます。しかしこの条件だけでは何とも言えず、使われている宝石やデザインについてはやはりリセール時には考慮に入らないので、購入価格より大幅に下がることが大いにあります。

 

ということで、以下まとめ表です。

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結論

一言に「一生もの」といっても、これだけの要素に分解されることがお分かりになったかと思います。あとは自分が特にどこを重視したいのかを考え、優先順位をつけて選べばいいだけです。

 

ところで、ここで一番最初に戻って、有名女性ファッション紙に掲載されていたアイテムについて再度考えます。「アルハンブラ」、「ベル・バイ・ハリー・ウィンストン」、「ティファニーT」、「ビー・ゼロワン」、「ジュスト・アン・クル」等々…どうでしょう、ハイブランドの素材がしっかりしたファインジュエリーを「一生もの」とするのは、今回設定した条件に照らし合わせても、道理にかなっていると私は判断します。

 

ただし、もちろん雑誌に取り上げられていないジュエリーの中にも、今回設定した3つの条件をクリアするものはたくさんあります。例えば私の「推し」である「アンティークジュエリー」は条件に合致するアイテムも多くありますが、雑誌の特集に出てくることはまずありません。雑誌というのは商品広告でもあるためですね。

 

間違っても万人共通で「これを買えば間違いなし!」はありませんので、雑誌やネットの情報はあくまで参考にとどめて、自分の価値基準で選べば後悔なく、自分だけの「一生ものジュエリー」を手に入れることができるのではないかなと思います。