Jewellery Wanderlust

ジュエリーが大好きで、世界中から個人輸入している人のブログ。特にアンティークが好き。

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ダイヤモンド、現代かアンティークか

宝石の王様というべきダイヤモンド(歴史的に見ればそんなことはありませんが、デビアス社のイメージ戦略に乗っかってそう呼びます、笑)。私も「一番好きな宝石は」と言われたら「ダイヤ」と答えます。なぜならそれは幼い頃からの刷り込みと、自分の誕生石であるということが主な理由です。しかし一口にダイヤといっても、シェイプによって全然違うと思うのです。例えば、私はラウンドにはさほど惹かれず、まず好きになったのはエメラルドカット、そしてクッションカットです。宝石はみんな飴みたいでおいしそうだなあと子どもの頃から思っているのですが、中でもエメラルドカットが一番飴みたいでおいしそうに見えます、笑。なので婚約指輪もエメラルドカットです。

  

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日本にいると、アンティークのダイヤをみかけることはまずありませんよね。私も自分の婚約指輪を探したときは、アンティークという選択肢があることすら知りませんでした。しかし海外では、アンティークのエンゲージメントリングを選ぶ人も多くいます。そしてアンティークダイヤの中で、特にポピュラーなシェイプが2種類あります。ひとつがオールドマインカット、そしてもうひとつがオールドヨーロピアンカットです。今回はこの2つのアンティークカットと、現代のラウンドブリリアントカットを比較してみたいと思います。

 

記事の情報ソースはこちらです。

ダイヤモンド のカットの変遷(歴史)|ダイヤモンド・ミュージアム

Old Mine Cut Diamond: Timeless Romance

Antique Diamond Cuts: What You Need to Know | The Diamond Pro

 

 

 

アンティークカットの歴史

1、オールドマインカット(old mine cut / OMC)

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出典:Beyond 4Cs

17世紀末、ベネチアの研磨職人であるペルッツィによって現代のブリリアント・カットに繋がる最初の58の研磨面を持つカット、オールドマインカットが開発されました。18世紀初頭から19世紀後半まで最もポピュラーだったカットと言われています。現在のブリリアント・カットの原型とも言われますが、この時はまだ正方形に近い形です。今のクッションシェイプに似ていますね。キューレットを切り落とすので、真ん中に小さな穴が空いているように見えることも特徴です。

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出典:中央宝石研究所(CGL)

 

 

2、オールドヨーロピアンカット(old european cut / OEC)

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出典:Beyond 4Cs

オールドマインカットに少々遅れて、こちらのオールドヨーロピアンカットは18世紀初期に登場します。19世紀後半になるとカッティング技術も向上し、ラウンド形が人気を博すようになりました。研磨面はオールドマインカットと同じ58ですが、研磨面の形が大きく変わりました。現在のラウンドブリリアントカットに非常に近い形です。

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出典:中央宝石研究所(CGL)

 

 

歴史の話はこの辺りにして、アンティークカットの特徴や魅力、選ぶ際に心に留めておくべきことなどをまとめたいと思います。オールドヨーロピアンカットは素人が見る限りでは現代のラウンドブリリアントカットと大変似ているので、今回は私のひいきであるオールドマインカットに絞って書きたいと思います。笑

 

アンティークカットの魅力

1、個性的

真っ先にあげられる魅力はこれです。ダイヤモンドをカットする機械が発明されたのは1874年なので、アンティークダイアは基本的に人の手でカットされたものです。それによって一つ一つ違う表情をもっていてとても個性的です。こうした個性は、GIAの4Cが絶対的な評価基準として君臨している現代のダイヤでは、まず見ることができません。下の写真すべてオールドマインカットですが、ひとつひとつ表情が異なりますよね。手作業でカットされた石なので、左右非対称です。そのいびつさがとても可愛く、愛着が湧くカットだなと思います。

 
 
 
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2、やわらかな輝き

現代のラウンドブリリアントカットが「キラキラ」とした輝きならば、アンティークカット(特にOMC)は「ウルウル」とした輝きです。細かく光を反射しキラキラ、時にはギラギラとした美しさのラウンドブリリアントカットに比べると、アンティークカットは大きなファセットがたっぷりと光を反射するような瑞々しい印象です。

電気のない時代にろうそくの火のもとで輝くことが想定されているカットですので、夜の室内では柔らかい光をうけて、優しくロマンティックに輝く、といった感じですね。

 

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3、価格

そして最後に挙げる魅力はずばり価格です。前の記事でも取り上げましたが、アンティークのダイヤモンドは、同じようなクオリティの現代のダイヤモンドと比べたときに、20%ほど低い価格がつけられています。

 

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続きまして、アンティークカットを選ぶ際の難しい点を挙げたいと思います。

 

アンティークカットの懸念

1、見つけるのが難しい

アンティークカットのダイヤが欲しいと思ってまずぶち当たる疑問は、「どこで買えるの?」ですね。日本のブランドでも取り扱いはあるようですが、選択肢はかなり限られています(そして石が小さい、泣)。

アベリのオールドマインカットダイヤモンド - AbHerï Online Shop | アベリ公式オンラインショップ

 

選択肢を広げるためにはやはり海外のお店を視野に入れるしかありません。インスタで「#oldminecut」や「#oldeuropeancut」で検索するとルースからジュエリーになったものまで、様々取り扱っているお店を知ることができます。

 懸念として見つけづらさを挙げましたが、裏を返せば「人と被らない、プレミア感がある」ということでもあります。

 

2、カラーのグレードが低いものが多い

これは「懸念」というより単に留意点です。鉱山の関係で昔に産出されたダイヤは今より暖かみのあるカラーが多かったです。そのため、アンティークダイヤは今のカラーグレーディングに当てはめるとJ、K、L、Mなど、現在の日本ではまずみない「Faint」評価のものが多いです。しかしこの暖かみのあるカラーこそがアンティークダイヤの特徴でもありますし、「ファセットの特徴的に、暖かみのあるカラーの方がアンティークダイヤをより美しく見える」と評価するプロのジュエリーディーラーさんもいます。現在のダイアの価値観は、「白ければ白いほどいい」というものですが、アンティークに限ってはその価値観が当てはまらないことを留意しておく必要があります。

 

3、選ぶ基準が難しい

ダイヤの質を保証するものとして絶大な力をもっているもの、それは鑑定書ですよね。特にアメリカのGIAが発行した鑑定書は、世界的にも最も信頼されている鑑定書のひとつです。そのGIAもアンティークカットの鑑別を行っています。しかし、現在のGIAの4Cに沿って評価をされると、かなり低い評価を受けることとなります。上に挙げたカラーは好みなので良いとして、問題はカットです。

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典型的なオールドヨーロピアンカットの評価の例(出典:Beyond 4Cs)

カットに関して鑑別書が参考にならないため、結局は自分の目で見て選ぶしかありません。現代の基準にはあてはまらないとは言っても、あきらかにpoorなカットももちろん存在するので、それを判断するためにはまずは色々な光源のもとでどのように輝くのかきちんと確認することです。また、色々なアンティークカットをたくさん見て比較するなど、それなりに勉強が必要になります。私は現在海外のアンティークショップからオールドマインカットの指輪の購入を検討していますが、良心的なディーラーさんは私がリスエストとせずとも、室内の蛍光灯のもとでの動画と外での太陽光のもとでの動画、両方を送ってくれました。様々な環境でどんな表情を見せるのか、十分に検討することが必要です。

 

 

現代のラウンドカットとの比較

以上、アンティークカット、特にオールドマインカットについてみてきました。最後に現代のカットの中で代表的なラウンドブリリアントカットとオールドマインカットとの比較まとめです。

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現代には現代の、アンティークにはアンティークの良さがあるので、私は両方手に入れたいなと思います、笑。


おまけとして、もうひとつ忘れてはいけないのは、アンティークダイヤのジュエリーを選ぶともれなくセッティングが美しい確立が高いです。ハンドメイドで丁寧に作られた台座は今は見られないような繊細なデザインだったり、裏取りもしっかりしています。そういう意味でも私はアンティークダイヤのジュエリーは魅力的だなあと思っています。