Jewellery Wanderlust

ジュエリーが大好きで、世界中から個人輸入している人のブログ。特にアンティークが好き。

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アンティークジュエリーのコンバージョン(作り替え)の可否

アンティークジュエリーの「コンバージョン」とはつまり、もともとブローチだったものをピアスや指輪にしたり、アンティークピースの一部を外して違う物に作り替えることです。使われる機会のなくなったジュエリーを、より使いやすいジュエリーによみがえらせるための工夫ですね。日の目を見ないジュエリーに新たな命を吹き込むとても良いアイディアだと思いますし、今のところ私はまだ買ったことはありませんが、心惹かれるアイテムはいくつもあります。

コンバージョンジュエリーは海外のお店ではよく見るもので、その中でも特によく見るのはスティックピンを指輪やペンダントトップに変えたもの、そしてブローチをペンダントトップに変えたものです。

 

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スティックピン(出典:Sotheby's)

やはり現代においてブローチを着ける人は比較的少ないので、他のアイテムにした方が買い手がつきやすいという事情があるのだと思います。私たちコレクターからしても、ブローチはなかなか出番がないので、その他のアイテムの方が使いやすいですよね。

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ブローチから作り替えたペンダントトップ(出典: Sugar et Cie)

 

現代のジュエリーも、リフォームで形を変えることはよくあります。しかし、アンティークと現代ものの大きな違い、それはアンティークは「自分が使いやすいから」、「売りやすいから」というだけの理由で、その形状を変えるべきではないときが多々あるということです。自分なりにOKのコンバージョンとNGのコンバージョンについて、今回は書いてみます。

 

 

【OK】


1、元々のピースの調和や美しさが損なわれていないもの

良い例が、上にも出てきたスティックピンです。スティックピンは画像を見れば分かる通り、トップの部分ひとつで美しさが完成されています。下の部分は単なる針です。これならば針からトップを外したところで調和が壊れたということにもなりません。スティックピンから作られた物で私が好きなのは、ピアスです。トップの大きさからしてもとてもとてもぴったりなコンバージョンだと思います。ただペアになることは稀なので、単体で付けることになりますが、アシンメトリーに別々のモチーフを付けるのもとてもおしゃれでかわいいです。

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スティックピンから作り替えたピアス(出典:Red Green and Blue)

そしてもうひとつ、スティックピンのコンバージョンとしてよく見るものにリングがあります。私はこれについては否定的なことが多いので、以下の2で説明しますね。

 

ここからはNGだと思うコンバージョンについてです。

【NG】

1、元々のピースの調和や美しさを壊して作られたもの

上と反対のパターンです。例えば、もともとゴージャスなネックレスの一部であったであろうダイヤモンドを、バラバラにしてピアスやリングにしたり、そのままで美しい芸術品のようなピースを分解してしまうようなコンバージョンのことです。おそらくゴージャスすぎて現代人の生活には馴染まず、買い手がつかないということが起こっているのだと思います。しかし売るために100年以上受け継がれてきたジュエリーをバラバラにしてしまうというのは、商売のために美術品を切り売りするのと同じことになります。もちろん私はディーラーではないのでその苦労は知り得ないのですが、貴重なアンティークジュエリーはただ身につけるため以上の価値があると思うので、なんとかそのままの形を保ちながら次の世代に受け継ぎたいです。

もちろんほとんどのディーラーさんたちは誰よりもアンティークの価値を理解されているので、ハチャメチャなコンバージョンは行わず、独自の基準とルールに則って、コンバージョンするのかしないのかを判断されています。例えばとあるアメリカのディーラーさんのブログでは、以下のようなことがルールとして挙げられていました。

 

歴史的に重要であったり、ミュージアムピースを判断される場合、有名なデザイナーのサインがある場合はコンバージョンしない。

コンバージョンの際は追加パーツもなるべく同時代のものを使用する。例えば19世紀に作られたブローチをコンバージョンする時にホワイトゴールドは使わない(その時代にはまだなかったので)。

オリジナルの美しさを保つ。

コンバージョンピースであることは明記する。

Antique Conversion Jewelry - Victorian Crescent Brooch Pendant |

 

こうしてみると、コンバージョンとはむやみやたらにされるのではなく、作り替えたいピースの大きさや形状から何のジュエリーに作り替えるのが最もふさわしいのか精査し、さらにただ外して違うパーツに付ければいいというわけではなく、年代の合う素材を見つけたりと、多くの苦労の末にされるものだということが分かります。

 

2、あまりに粗末なセッティングのもの

OKの例で、コンバージョンピースとして作られたリングについては物によって否定的であると述べました。何が問題なのか、これはひとえにせっかく取り外された美しいトップが、現代簡単に手に入り簡単にくっつけることが出来るであろう、ただの「金属の輪っか」に取り付けられることが往々にしてあるという点です。アンティークリングの醍醐味であるシャンク/ショルダーの美しさはなく、現代の細く頼りないぺらぺらの地金と組み合わされたリングをいくつも見たことがあります。トップとリングの釣り合いが全く取れておらず、文字通り「取って付けた」感丸出しのリングになってしまいます。トップが気に入っても、リング部分がこれだとどうしても購入はためらいます。しかしスティックピンのトップは大きさ的には指輪にぴったりなので、なんとか納得いくシャンクの指輪を見つけたら手に入れたいと思っています。

 

以上、私のコンバージョンピースについての考え方でした。みなさんはいかがでしょうか?